埼玉県の北部に位置する、行田（ぎょうだ）市。日本有数の足袋の生産地であるこの街は、埼玉県という県名の由来にもなった旧跡「さきたま古墳群」があるなど、歴史ある街としても知られている。今回、ご紹介するのは、そんな行田市にふさわしく、長い歴史を持つ老舗のホテルである。

　秩父鉄道の東行田駅の南に走る国道128号線を東に進むこと、約5キロ。左手に郵便局を過ぎると、目指すホテルが見えてくる。ホテル『メモリー行田』である。

　さて、この『メモリー行田』、なんと40年（！）もの間、同一のオーナーが経営し続けてきたという老舗中の老舗。それだけ長い歴史があると、思わず懐かしい設備ばかり揃った、古めかしいホテルを想像してしまうが……、心配は御無用。2021年1月には、すべての客室がリニューアルされているのだ。

　客室は全20室で、料金に応じてAからCの３つのランクに分かれている。コンセプトは、シンプルかつモダン。いずれも落ち着いた雰囲気なので、年代を問わず利用できるだろう。

　おすすめの客室は、「211」「311」。「211」は壁に施された「窓の飾り」に遊び心を感じるメルヘンな客室。「311」は爽やかな壁の青色とウッディなインテリアが印象的なリゾート風の客室。そのほか、大胆に壁面に絵画をあしらった「201」「301」もユニークで楽しい。

　気になるサービス面だが、必要最低限。無駄なくシンプルそのものである。しかし、その分、リーズナブルに利用できる。

　もっとも価格帯の高いCランクの客室でも、平日の宿泊は7100円（税込）。Aランクなら6600円（税込）。深夜休憩のプランもあり、２時間で4300円（税込／Aランク、平日）、４時間で4800円（税込／Aランク、平日）。

　これだけでもかなりお得だが、メンバーズになると、さらにそこから休憩で500円、宿泊なら800円の割引がある。つまりAランクなら5000円台で宿泊できてしまうというのだから、これは驚きだ。

　歴史を重ねることで、ユーザビリティに特化した『メモリー行田』。行田を訪れた時には、ぜひ利用したいホテルだ。