森の中をさまよう幼い兄と妹。道に迷い、途方に暮れていたときに突然、目の前にお菓子でできた家が現れる……。グリム童話『ヘンゼルとグレーテル』の有名な一節だが、この話を聞いて、子どもの頃にお菓子の家に憧れたという方は多いはずだ。しかし、現実に人が入れる大きさのお菓子の家を作るのは簡単ではない。結局は夢、そう多くの人が諦めてきたはずだが、結論を出すのはまだ早い。実は、東京の渋谷にはお菓子の家がある。それが今回ご紹介する、円山町の『スイーツホテル　ルビー』である。

京王井の頭線の神泉駅の南口から歩いて３分。ユニークなホテルがひしめく超・激戦区の円山町の一角に建つ、とりわけ目立つ一軒のホテル。ショッキングピンクの外壁には一面、美味しそうなビスケットやクリームがずらり、エントランス脇には巨大なケーキにペロペロキャンディーが並んでいる。残念ながらこれらは食べることはできないが、その姿はまごうことなき"お菓子のホテル"である。

この外観からお分かりのように、ホテルのコンセプトは「泊まれるスイーツ」。ピンクの壁は、甘いストロベリーをイメージしている。外観だけでなく、客室もスイーツ感が満載だ。壁にはクッキーやケーキのオブジェが飾られており、おとぎ話の世界に迷い込んだかのよう。

オススメは、マドレーヌ風のベッドがキュートな「204」。お菓子の水槽が置かれた「301」も人気だ。「202」「302」「401」には、なんとチョコレート風呂が！浴槽には通常の蛇口とは別にもうひとつ蛇口が設けてあり、それをひねるとチョコレート（入浴剤）が流れ出す。甘い香りに包まれた、なんともメルヘンチックな入浴体験はやみつきになること請け合いだ。

ホテル内には、無料で利用できる貸し切り露天風呂がある。こちらもスイーツ度満点のデザイン、非日常な体験をしたい方はぜひ予約をしていただきたい。ロビーでは、お菓子の取り放題サービスもある『スイーツホテル　ルビー』。ホテル激戦区の渋谷に現れたリアル「お菓子のホテル」。このホテルなら、身も心も甘い時間を過ごすことができるだろう。