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ゆななの昭和ラブホ旅行記
ゆななの昭和ラブホ旅行記〜夢の国〜

私は単身で日本全国、北海道から沖縄までの昭和ラブホを160軒以上巡り、SNSや週刊誌などを通し魅力を発信しています。
1985年に新風営法が施行され、それ以降はラブホテルに回転ベッドや一定以上の大きさの鏡などを設置することが難しくなってしまいました。
昭和ラブホとは、新風営法の施行前に建てられて大きな改装をせずに当時の趣が残っているラブホテルのことを指します。
昭和ラブホの王道である回転ベッドや鏡張りの部屋、エアシューターなど……。当時を知る人にとっては懐かしく、平成生まれの人にとっては新鮮に感じられるのではないでしょうか。



今回ご紹介する昭和ラブホは広島県廿日市市にある昭和46年創業「ホテル 夢の国」です。
私の5本の指に入るくらい大好きな昭和ラブホで、まさに「夢の国」というホテル名が相応しい内装の数々に圧倒させられること間違いなし!



まずは敷地前にある看板。この看板デザインも5本の指に入るくらいお気に入りです。休憩を「おいそぎの方」、宿泊を「ごゆっくりの方」と表現しているセンスも、たまりません。



大野浦駅から徒歩約6分、大野インターチェンジから車で3分の場所にあり、徒歩でも行ける距離にあるのが嬉しいです。
急な坂を登るとこの入り口が見えてきます。



この外観だけではどんなお部屋が出迎えてくれるのか想像し難いと思うので、さっそく私おすすめの6部屋をピックアップしてご紹介していきます。



こちらはイチオシの50号室。
この部屋の一番の目玉はこちら!なんということでしょう。部屋に滑り台がついていて、ボタンを押すと水が出てくるのでウォータースライダーとして遊ぶことができます。




注意書きには「滑り台」「すべり台」でもなく、「スベり台」と記載されているのが個人的にとても愛おしく感じてしまいます。この字体も、後ろの壁紙の柄もたまりません。



着地する浴槽は若干浅めなので、注意書きにもあるように満水にして楽しむのがベスト。そして想像以上にスピードが出るので侮るなかれ!実際に私も何回も何回も滑りました。最初は少し怖いかもしれませんが、滑っているうちにどんどん楽しくなってきます。浴室右側にある箱のようなものはサウナになっているので整うことができます。



しかも50号室には他にも見所があるんです。なんと「カプセル型ベッド」が登場。。



どうやらカプセル型ベッドも当時、流行っていたようです。昭和ラブホが掲載されている写真集などで時々見かけることがありましたが、まさか実際にお目にかかれるとは……!これを見た時は感無量でした。カプセルに頭をぶつけないように要注意。ちゃんと二人で寝転がれるくらいのサイズ感になっています。
そしてカプセル型ベッドだけでなく、もうひとつベッドがあります。どちらを使おうか迷ってしまいますが、私は両方使いました(笑)




ソファやテレビがあるスペースの床の一部に、丸い鏡があるのも昭和ラブホらしいです。昔はこの鏡の上に平均台が置かれていたようです。どのように使われていたのか想像が膨らみますね。
また、当時はエアシューターでのお会計でしたが現在は自動精算機での支払いになっています。



夢の国ではテーブルの上に「落書き帳」が置いてあります。訪れた人が自由に書き込めるようになっているのですが、これが見ているだけでも面白い!



ここでは言えないようなアウト?な内容が書かれていたり、キャラクターの上手なイラストが描かれていたり……と、それぞれの人間模様が伝わってきます。行ったときは是非注目してみてくださいね。



せっかくなので50号室の見所を動画でまとめました。ご覧ください!



続いて35号室。
こちらには馬車ベッドがあります。昭和ラブホ巡りをしていると時々、馬車ベッドと出会うことがあるのですが見飽きることはありません。何度でも馬車ベッドと出会いたいくらいです。




実は馬車ベッドが設置されている天井に仕掛けがあるんです……!なんの仕掛けかお気づきでしょうか……。



正解は、この動画のようにベッド上の天井を開閉できるようになっていて鏡が登場します。枕元に開閉ボタンがあるので、そこで操作ができるようになっています。遊び心ある仕掛けにワクワクしてしまいますね。



他にも気になるものを発見。枕元には「レトロな電マ」が置いてあるんです。それがこちら。



見たことのない形に思わず「なにこれ凄い!」と声に出してしまいました。そして20分200円の課金制になっています。気になる方はぜひお金を投入して動かしてみてください(笑)



そして、もうひとつ気になるものが設置されています。それがこちら……。



「ドリームラブチェア」と呼ばれる電動椅子になっていて、男女が向き合って座りピストン運動ができるというもの。足腰の弱い方向けに作られたという話を聞いたことがあります。この写真の撮影時は残念ながら故障中だったのですが、現在は無事に修理が完了しているようです。



浴室も見てみましょう。
まさかのローションマット専用のベッドがありました。これもなかなかお目にかかることができない貴重なものです。




サウナもあります。



夢の国にはさまざまな設備が盛り沢山。次から次へと気になる設備が出てくる宝箱のようです。



続いて36号室。
和風テイストなこちらのお部屋は、映画「狐狼の血」のロケ地としても使われたことがあります。




さすが、映画のロケ地になっているだけあってこのまま和風スタジオとして使えそうな内装になっています。小上がり和室になっているのも粋な演出で、赤い番傘や装飾も華やかです。



なんと35号室にもあった「ドリームラブチェア」が、ここにも設置されているんです!!また出会うことがでテンションが上がってしまいました。20分300円の課金制になっています。
どんな動きをするのか気になる方もいらっしゃると思うので動画でご紹介します!



いかがでしたでしょうか(笑)速度や椅子の高さは調節できるようになっているのですが、思っていた以上に小刻みな動きをするので、実際に使用するとあまり集中できない可能性があるかも!?です。あと思った以上にガタガタと音が響きます。こちらも気になった方はぜひお金を投入して動かしてみてくださいね。



浴室はピンクのライトが妖艶で印象的でした。



続いて32号室をご紹介。こちらは貝殻ベッドがあります。




ピンクや白色……といった貝殻ベッドは見かけるのですが、ゴールドのようなこの色は初めてお目にかかりました。なんだか高級感が溢れるデザインになっています。
竜宮城を想像させられるような内装と貝殻ベッドが非常によくマッチしています。貝殻ベッドの写真をSNSに投稿すると「貝殻は閉じるんですか?」というご質問をいただくことがあるのですが、閉じません。閉じている姿も見てみたいような!



浴室にはホテル名が大きくデザインされています。天井もレトロで可愛らしいデザインです。




夢の国の特徴として、どのお部屋の浴室も広めの作りになっていることです。水回りはホテル選びの大事な要素ですが、圧迫感なく使用できるのでとても快適です。



続いては52号室。
こちらは円形ベッドのお部屋です。※回転ベッドではありません。




入室した時に「なんだか異様に落ち着く……!」と感じました。ベッド周りの壁紙がシックな印象だからでしょうか。つぎに夢の国に行ったらこの部屋に宿泊したいな?などと思っていたところです。ベッド上の天井には小さな豆電球が散りばめられていて、まるで星空を眺めているかのような感覚になれるのがロマンティックです。



浴室のタイル絵はあまり部屋とマッチしていないですが、そこがまた味があって気持ちが和みます。。



最後に25号室。
こちらは籐のベッドになっています。ここまで立派な籐のベッドは珍しくて、ベッドの天井に可愛らしい照明があるのもいいアクセントになっています。




部屋全体が落ち着いた色合いなので、なんだか家のような感覚でくつろげそうな空間です。
浴室も清潔感バッチリです!床の黒いタイルがスタイリッシュな雰囲気を出しています。



ちなみに敷地内は戸建てタイプになっているので他人の目を気にせずに入室することができて安心です。




ホテル夢の国いかがでしたでしょうか。私はいつも「夢の国」という言葉を聞くと、舞浜にある某テーマパークではなく、こちらのホテル夢の国を連想してしまいます。そして夢の国というホテル名がよく似合う、夢のような内装にテンションが上がりっぱなしで心が躍ります。広島にお住まいの方はもちろんのこと、他県の方も広島に行かれた際は是非行ってみてください。ホテル夢の国ファンになること間違いなし!


プロフィール
昭和ラブホの魅力に取りつかれた、平成生まれの”昭和ラブホテル"愛好家。
単身で北海道から沖縄まで日本全国の昭和ラブホを130軒巡り、SNS、メディアでの記事執筆、ラジオ出演などを通じて魅力を発信中。


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全国の昭和ラブホを渡り歩いて収めてきた500点以上の写真が、160ページ全編カラーで楽しめる。地域別のオススメ昭和ラブホや、初めて昭和ラブホを訪れるときの心得、さらには回転ベッドの生みの親で伝説のラブホテルデザイナー・亜美伊新(あみい・しん)氏へのインタビューも。
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