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ゆななの昭和ラブホ旅行記
ゆななの昭和ラブホ旅行記〜ホテル プリンセス〜

私は単身で日本全国、北海道から沖縄までの昭和ラブホを170軒以上巡り、SNSや週刊誌などを通し魅力を発信しています。
1985年に新風営法が施行され、それ以降はラブホテルに回転ベッドや一定以上の大きさの鏡などを設置することが難しくなってしまいました。
昭和ラブホとは、新風営法の施行前に建てられて大きな改装をせずに当時の趣が残っているラブホテルのことを指します。
昭和ラブホの王道である回転ベッドや鏡張りの部屋、エアシューターなど……。当時を知る人にとっては懐かしく、平成生まれの人にとっては新鮮に感じられるのではないでしょうか。



今回ご紹介する昭和ラブホは、静岡県焼津市にある「ホテル プリンセス」。
焼津インターチェンジから車で約15分の場所にあります。他ではなかなかお目にかかれないような、あっと驚かされる部屋もあり、私はこれまで数回にわたり足を運んでいます。


さっそくですが各部屋を見ていきましょう。まずは15号室。
こちらにはピアノ型ベッドが設置されています。入室した瞬間に「なにこれ可愛い!」と乙女心がくすぐられるような内装になっています。



当時はこのようなベッドも数多く見ることができたのかもしれませんが、令和になった今でも状態良く現存していることに感謝しかありません。きっと、日頃からスタッフ様のお手入れが行き届いているからでしょう。鍵盤を踏んで音が鳴るのかな?と思いきや、音は鳴らない仕様になっています。



しかも、部屋中にフラミンゴがいるんです。壁紙や、ドアにまで!
ピアノ型ベッドはもちろんですが、このフラミンゴが部屋の魅力をより一層アップさせていると感じました。




天井にはミラーボルや、くるくる回るライトまであり、ディスコに来たような気分に。このような一工夫があるだけでとても楽しい気分になれます。





フラミンゴカラーを意識しているのか、バスタブもピンク色でした。





続いて、23号室。
ホテルプリンセスの中でもいい意味で一番ぶっ飛んでいる部屋だと感じています(笑)
まず入室すると、UFO回転ベッドを発見。ベッドの電飾もチカチカと点滅しているのが素敵です。




枕元に操作ボタンがあり、右・左・停止を選択することができます。年月が経つにつれ故障している場合もあって、片方にしか回転しない……なんてこともあるのですが、とても状態良く稼働していて嬉しさが込み上げます。



貴重な回転ベッドがあるだけでも凄いのですが、他にも、まさかのものが設置されています。
それがこちら……。



なんということでしょう。キーボードとドラムが設置されています!
これを見た時は目を疑いました。ここだけ見たら音楽スタジオと勘違いしてしまいそうです。まさかラブホだとは誰も思わないでしょう。
ちなみに私はこれまでの人生で全く楽器に触れてこなかったので、これらを演奏して楽しむことができませんでした。せめてピアノでもいいから習っておくべきだったと後悔です(笑)


キーボードとドラムの奥にはUFO回転ベッド。異色の光景が好きすぎます。



そして、カラオケの設備もあったりタンバリンやマラカスも用意されています。歌うことや楽器好きの方は天国のような空間なのでは!?どうやらオーナー様も歌うことが好きなようで、このような設備を設置しているのかなと思いました。




気になる水回りも期待を裏切りません。
バスタブと壁の、美しい青色に目を奪われます。



ちなみに旧ホテル名のマッチやマグカップが各部屋にあります。とくにマッチですが、天使のイラストになんとも癒されます。私がこれまでに見てきたラブホマッチの中でも上位を争う可愛いパッケージです。現在のプリンセスという名前も素敵ですが、ロンドンという旧名にも惹かれます。



そして、全部屋にこのような文字が……。



「共進丸?さくらえびの船ってどういうこと?」と不思議に思っていましたが、オーナー様に答えを聞いて謎が解けました。共進丸というのは、オーナー様が所有している船の名前で、その船で実際にさくらえびを捕獲しているとのことでした。ラブホテルを経営しながら船にも乗っているのがとてもパワフル!


続いては18号室。
こちらも先ほどの23号室に引き続き、回転ベッドの部屋です。ベッドの鏡の枠組みや部屋の柱がピンク色だからか、とても可愛らしい雰囲気です。改めて見返してみると、やっぱり回転ベッドは重厚感あるなぁとしみじみ感じます。




どの部屋も広めの作りになっているので開放的な気分で過ごすことができるのもポイントです。)


そしてこちらの廊下を歩いて向かった先には浴室があります。長い廊下の先に浴室があるという構造は、ありそうであまり見かけないような気がして、すごく印象的です。



浴室には、丸いタイルが敷き詰められたミニ階段付き。金色の変わった形の椅子は、寝て使用するものだとか。二人で腰掛けて使うこともできそうで、どのように使うか想像が膨らみます。




続いて19号室。
ゼブラ柄とレンガの壁がおしゃれです。




ここで気になるものを発見。ベッドルームの壁に穴のようなものが空いているではありませんか!ポストの投函口のようにも見えます。



現在は使うことができませんが、昔はここからドライアイスの煙が出てくる演出がありました。お客さんが入室すると、ドライアイスにお湯が注がれて煙が出る仕組みでした。
若いお客さんからは評判が良かったそうなのですが、ご年配の方からは「急に煙が出てきて怖い!ビックリする」などの意見も多く、やめてしまったみたいです。
このドライアイスの演出の名残りは、昭和ラブホを巡っているとたまに出会うことがあるのですが現役で動いている姿を見たことがありません。いつか動いている姿を見るのが夢です。


この楕円形のようなバスタブはいかにもラブホ感があって特別な気分になれます。



最後に14号室をご紹介します。
こちらの部屋は一見するとシンプルに見えますが、電気を消すと……



ブラックライトで天井の絵が光るようになっています。ブラックライトがあるだけで幻想的な雰囲気に。
また、一部がベランダのようになっていて飾り付けされています。こちらは安全面を考慮して外には出れません。



オーナー様は建築関係のお仕事に携わっているわけではありませんが、部屋をデザインする時には色々と案を出したそうです。
「どの部屋が一番好きですか?」と質問すると、「全部!」という答えが返ってきて、各部屋を愛されているのがバシバシと伝わってきました。



ベッドルームはピンク色の壁と、緑色の文字がいいアクセントになっていました。



浴室も各部屋によってデザインが違うので見応えがあります。



ホテルプリンセスいかがでしたでしょうか。



青空×ラブホの組み合わせがとてもよく映えますね!
冒頭に記載した通り、焼津インターチェンジから行くことができますが、車がない場合は焼津駅前からバスに乗り、水産加工センターで降りて徒歩5分ほどで到着します。余談ですが、ホテルプリンセス周辺は水産加工センターから漂ってくる鰹節らしき、香ばしい匂いが充満しています(笑)


夜になると駐車場のブラックライトでイラストが出てきます。昼間は見ることができないので、夜に行かれた方はラッキーかも!?



また、駐車場にある部屋案内のパネルをよく見てみると、このようにビートルズの曲名が付けられている部屋もあります。実際に行かれた方は部屋の内装だけでなく、パネルにもご注目ください。



今回ご紹介した中でも特に、UFO回転ベッド部屋にキーボード&ドラムが設置されている奇想天外なお部屋はここでしか味わえません。一度行ったら生涯忘れられないくらいのインパクトがあります。他にもピアノ型ベッド、ブラックライト部屋など魅力満載。ホテルプリンセスに行けば昭和ラブホをもっと好きになること間違いなし。記事内でも触れていますが、楽器好きの方にもぜひ足を運んでいただきたいラブホです。焼津観光の際にもおすすめです!



プロフィール
昭和ラブホの魅力に取りつかれた、平成生まれの”昭和ラブホテル"愛好家。
単身で北海道から沖縄まで日本全国の昭和ラブホを170軒巡り、SNS、メディアでの記事執筆、ラジオ出演などを通じて魅力を発信中。


『回転ベッドを追いかけて』
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全国の昭和ラブホを渡り歩いて収めてきた500点以上の写真が、160ページ全編カラーで楽しめる。地域別のオススメ昭和ラブホや、初めて昭和ラブホを訪れるときの心得、さらには回転ベッドの生みの親で伝説のラブホテルデザイナー・亜美伊新(あみい・しん)氏へのインタビューも。
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