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【時田桜】ラブホはわたしのワンダーランド
わたしはラブホが大好きです

※こちらの記事はCakes閉鎖に伴い、本人の許可を得て転載を行っております。


わたしはラブホが好きです。


この発言をして、引く人も、引かなくても少し距離を置いておこうという人もいるかもしれません。けれど、わたしは気にしません。だって、好きなものを好きだと言いたい。そして、なにより、ラブホは素晴らしい所だと私は信じているからです。


「この夏休みはラブホめぐりをしたい」


こう言うと、ふっと笑われたり、何言ってんのという目で見られたりします。この人たちは見る目がないんですね。ラブホの魅力に気づこうとしない。


もちろん、ラブホは主にセックスするためにあります。私はそのことを否定しないし、セックスする場所だからこそ、ラブホが普通のホテルとは一線を画した、まさに夢の国のような場所にもなり得ると思っています。


だから、ラブホめぐりなんて言って、友達とちょこちょこラブホに遊びに言っている私ですが、本当は、一緒にお金を半分ずつ出してラブホに楽しく行ってくれる恋人がいれば、どれほどいいかと思います。ラブホではセックスしない方が楽しいなんてことを言うつもりはありません。ただ、しなくても、充分、楽しいし素敵な場所だよってことを言いたいのです。


「ねえ、セックスしない?」


これを読んでいる男性がもし、初めて寝たい女の子がいたらこんな風に誘うでしょうか?


私なら興ざめです。誰とでも寝るような女の子ならまだしも、あなたが狙う清楚な彼女にこれはどうでしょうか。


では、
「駅のすぐそばに、お城みたいにキラキラで、光るジェットバスが付いてて、フカフカの布団があって、カラオケができて、大きいテレビで映画が観れて、お酒も飲めて、アメニティも豊富だからメイク落としや明日の髪型の心配もしないで良くて、朝ごはんを無料で食べれるホテルあるんだけど、今日は泊まっちゃわない?」
と言えばどうでしょうか?

私ならついて行ってしまうかもしれません。ここまで言われたら行きたくなってしまいます。もちろん、全く気がない男の子には何を言われてもついていきませんが、少し気になる相手だったら、行ってしまいそうです。


ああ、今、言ってしまいました。あとちょっとで落とせそうな女の子を落とす言葉を。企業秘密だったのに.....。


仕方ありません。


全ては語るためなのです。


ここからが本題です。つまりです、わかりましたか? もしかしたら、一を聞いて十を知ることのできる頭のいい方々には、私が何を言いたいか、もう、伝わったかもしれません。


一応解説します。


つまり、『ラブホの素敵が詰まった要素』は女の子が男の子と寝てしまうための免罪符なのです。ラブホには、女の子を連れ込む工夫を凝らした末に素敵な要素が散りばめられていて、結果、女の子がワクワクできるようなステキな空間が出来上がってしまったということです。


だから、私が、純粋にラブホをディズニーランドのようにキラキラしていて素敵な場所と思うのは当然なことなんです。


女の子に、男の子にお持ち帰りされてしまうのを許す言い訳を、『ラブホの素敵が詰まった要素』は与えてくれているのです。


だって、「ラブホ」という名前が付いているから、少し、行きにくいかもしれませんが、普通のホテルだと考えるとすごく素敵な場所ではありませんか。


一回皆さん、先入観を取り払ってください。タブラ・ラサです。いいですか、見えてきましたか?


・ベッドが大きくてフカフカ、自分の好みに合わせてライトアップがコーディネートできる
・お風呂に二つボタンがついていて、一つはライトアップ、もう一つはジャグジー(バスボムもついている)
・素泊まりでもアメニティが豊富すぎるので余裕、むしろ顔パックとか4万円のコテとかあったりして楽しい(タオル、バスローブ、シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、洗顔、化粧水らへんは、どんなに安いところでも置いてある)
・大きいテレビで映画やAVが見れる
・マリオカートやVRを貸してくれるところとかもある
・ご飯が食べられる(私はラブホのご飯は美味しくないので食べません)
・そして何より、ラブホの特徴といえば、外装内装がキラキラしていてお城みたい
・なんでもありだから、工夫に富んでいて、奇抜なお部屋があって、いくつ行っても飽きにくい


わたしには、ラブホが昔夢見たお城のような部屋に見えます。普通のホテルでは考えられないような、非日常なお部屋たちがわたしのことを待ってくれているように思えます。そこに、二人合わせて10000円ちょっとあれば泊まれるなんて、どうしても行きたくなってしまうんです。


もちろん、一泊5000円とかの安いラブホだと、すごい質素でセックスをするためだけの部屋が多いです。私も初めて、ベッドとお風呂とトイレだけ、みたいなお部屋に入った時は「わああ、これはすごい!みんな、ここでセックスだけをしまくっているんだ。こんなに、無駄を削ぎ落としたお部屋は、今まで見たことがないなあ」と感心しました。そんな部屋もアリですよね。セックスに夢中なら、無駄ですもんね装飾も。


だけどわたしはこれから、日本に存在する、キラキラしていて、面白くて、奇抜で、工夫に富んでいるラブホのお部屋に行きたいんです。そこで、いろんな夢や非日常を探し出したいんです。だからわたしは、魔法にかけられに、ラブホに行きます。


先日行われた「cakesクリエイターコンテスト2020」で、6000人の中から7人の優秀賞受賞者の一人に選んでいただけたおかげで、これから、cakesで週刊連載をできることになりました。わたしのおすすめのラブホを主観的に語っていきたいと思います。


自己紹介をすると、わたしは、ラブホについて熱く語っていますが、普段は東大で真面目に勉強をしているただの20歳の女子大学生です。この連載によって、私はこれから「ラブホの人」と認知されるようになるのが、複雑な心境ではありますが、(素敵なラブホに行くための資金くらいは稼げるように)がんばりたいと思います。よろしくお願いします。


あっ、一つ言い忘れていた、ラブホから帰るときは、備え付けのコンドームを一つ持ち帰って、缶か何かに大切に保存しておくと良いと思います。甲子園の砂を持ち帰るように、その日の戦いや思い出のかけらを、あなたは、持ち帰ることができるでしょう。

筆者紹介

時田桜です。東京大学教養学部4年です。ラブホテルが好きです。将来の夢は、素敵なラブホテルを創ることです。



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