ハッピー・ホテル > ラブホコラム > ゆななの昭和ラブホ旅行記 > ゆななの昭和ラブホ旅行記〜ホテル Q&P〜
私は単身で日本全国、北海道から沖縄までの昭和ラブホを170軒以上巡り、SNSや週刊誌などを通し魅力を発信しています。
1985年に新風営法が施行され、それ以降はラブホテルに回転ベッドや一定以上の大きさの鏡などを設置することが難しくなってしまいました。
昭和ラブホとは、新風営法の施行前に建てられて大きな改装をせずに当時の趣が残っているラブホテルのことを指します。
昭和ラブホの王道である回転ベッドや鏡張りの部屋、エアシューターなど……。当時を知る人にとっては懐かしく、平成生まれの人にとっては新鮮に感じられるのではないでしょうか。
今回は大阪府大阪市にある「ホテル Q&P」をご紹介します。阪急電鉄の十三駅より徒歩5分と好立地でアクセス抜群! 大阪に行くたびに訪ねている大好きな昭和ラブホです。
全36部屋の中で、私がオススメする5部屋をピックアップしたのでご紹介します。
まずは503号室。
1階ロビーにある客室パネルの写真を見て、ずっと気になっていた部屋。入室するとこの光景です。
なんと滑り台とプールがあり、まるでプール施設のよう! 残念ながら現在は稼働していないのですが、取り壊されることなく残されていて嬉しいです。この部屋は人気なので埋まっていることが多く、もしかしたらこの設備の存在を知らない方もいるかもしれません。プールは長さが3、4メートルくらい。
螺旋階段を上って2階へ移動します。
昔は壁に付いているボタンを押すと水が流れたようです。
今でも滑り台は滑ることができるので、実際にトライしてみました。水は出ないものの、滑りがとても良くて想像以上にスピードが出てヒヤリとしました。
プールに水を溜めることができないので、着地の時に怪我をしないようご注意ください! 私は、ほかのラブホでウォータースライダーを楽しんだ際に着地に失敗して、背中に大きなアザができたことがあります(笑)。その時の失敗を活かして、スピードが出過ぎないように手で押さえながら滑りました。
2階にはベッドルームがあります。インパクトのある部屋なのでベッドルームはド派手なのかと思いきや、シンプルで落ち着いた内装。床にはカーペットが敷かれていて花柄が上品です。部屋全体が暖色の光に包まれていて、心地いいのでチェックアウトのギリギリまでゆっくりしたくなります。
1階にはトイレや洗面所、お風呂があります。
アメニティはスキンケア類、歯ブラシ、入浴剤、お肌のパックなど一通り揃っているのが嬉しいです。
お風呂の壁は一部がガラス張りになっていて、チューリップや蝶のシールが貼ってあり可愛らしい!
続いては305号室。
あまり見かけないユニークな造りで、床のデザインもオシャレ!
床にマットレスが敷いてあるので、よくある普通のベッドよりも床との距離が近いからか安心感があります。
ソファとテーブルは床よりも一段下がったところに設置されているのが見どころ。黒のソファがいい締め色になっています。マッサージチェアもあるので癒されたい人は使ってみてください。
天井には円形の照明がありこちらもユニークな形で、細長い棒の先に豆電球が付いています。奥にある照明も独特で、木の枝のようにも見えます。鏡張りに光が反射してキラキラと華やか!
お風呂は狭すぎず広すぎず使いやすいサイズで、ブルーの床が爽やかです。
続いては408号室。
右側に気になるものを発見! ミニ滑り台があり、天井からは白くて丸い椅子が下がっています。
ベッドの枕元には三角の白い照明があり、部屋によって照明のデザインがまったく違うのが楽しいです。
ラブホを訪ねて気になる設備を見つけると、実際に使ってみるようにしています。椅子はゆらゆら揺れるのでブランコ感覚で楽しむことができ、しばらく揺れながらぼーっとしていたくなりました。ミニ滑り台は緩やかな傾斜があり、鏡が張られた階段を3段上って滑ります。公園にあるような大きな滑り台もいいですが、このミニサイズでも十分に楽しむことができます。
こちらのお風呂でも鏡にチューリップや蝶のシールが貼られています。シャンプーやリンス、ボディーソープは備え付けがありますが、1階のロビーで貸し出しを行なっているので、そちらでレンタルするのもいいでしょう。
続いては205号室。
ベッドの枕元の壁にはヤシの木らしきものがデザインされていますが、なぜこれをチョイスしたのかは謎です(笑)。枕元にあるランプのシェードがエメラルドグリーンで素敵。
部屋の中で、お気に入りのスペースはこちら!
床の一部が正方形になっていてスケルトン。中には「DISCO」や星型のネオンが飾られています。ネオン管は手作業で曲げているからか、若干いびつな形で味があって好きです。壁にもネオン管がディスプレイされ、耳を近づけると「ジジジッ」という音が聞こえてきて味わい深いです。縦長の鏡がたくさん貼ってあり、ちゃんと天井も鏡張りなのがたまりません。
ルーレットのテーブルは部屋によく馴染んでいます。
天井の鏡張りにネオン管やルーレットのテーブルが映っています。このように鏡越しに見る光景が最高です。立体的な星の形をした照明もチャームポイント。
お風呂の壁のタイルには、木の枝に細かい花がたくさん描かれていました。
最後に501号室。
こちらは宇宙をモチーフにした部屋です。ベッド枕元にある照明の光が、天井や壁の鏡に反射して星のように見えます。ピンク色のベッドは一見すると部屋に合わないかと思いきや、いいアクセントになっています。
天井に宇宙船が描かれています。
壁には地球がドドンとプリントされていて、存在感を放っています。昭和ラブホで宇宙をモチーフにした部屋はときどき見かけますが、ここまで大きな地球があるのは初めて見ました(笑)。やはり昭和ラブホの内装は見飽きることがありません!
部屋を引きで見ると、こんな感じ。至る所に趣向が凝らされていてワクワクします。弧を描いたソファは3人くらい座れそうな大きさ。スペースがあるのにテーブルは小さめサイズなのが一興です。
こちらの椅子とテーブルもありました。宇宙船のコックピットをイメージしているのでしょうか……。背もたれに傾斜があり、少し寝そべるようにして座るタイプです。
お風呂のデザインはほかの部屋と大差なく、シンプルで使いやすいです。
部屋が並んだ廊下は、どんな部屋があるのかとワクワク度が高まります。中央は吹き抜けになっていて自然光が入り込み、ラブホの廊下とは思えないほど明るくて開放感があります。
外観の赤い旗や、駐車場入り口のビラビラしたところにホテル名が印字されていて目立っています。屋上には旧名「7ジョーカー」の看板が残っているので、興味のある方は行った時に見てみてください!
503、305号室は私のYouTubeチャンネルでも詳しく紹介しているので、そちらもご視聴いただけると嬉しいです。映像でホテルQ&Pの臨場感をお楽しみください。
部屋数が多いので、どの部屋に入ろうか迷ってしまいそうです。バラエティ豊かで遊び心溢れる部屋がたくさんで、大阪観光の時にビジホ代わりとして使うのもオススメ! 大人になっても、はしゃげる場所があるのはとても貴重なので、ぜひ訪ねてみてください。
プロフィール
昭和ラブホの魅力に取りつかれた、平成生まれの”昭和ラブホテル"愛好家。
単身で北海道から沖縄まで日本全国の昭和ラブホを170軒巡り、SNS、メディアでの記事執筆、ラジオ出演などを通じて魅力を発信中。
『回転ベッドを追いかけて』
ゆなな hayaoki books 2530円(税込)
全国の昭和ラブホを渡り歩いて収めてきた500点以上の写真が、160ページ全編カラーで楽しめる。地域別のオススメ昭和ラブホや、初めて昭和ラブホを訪れるときの心得、さらには回転ベッドの生みの親で伝説のラブホテルデザイナー・亜美伊新(あみい・しん)氏へのインタビューも。
amazon
hayaoki books
SNSアカウントはこちら
Twitter